
コラム
M&A取引における契約書では、表明保証違反や債務不履行があった場合の相手方への補償請求につき期間制限を設けることが多く見られますが、この条項の法的性質につき判断を示した東京地裁の判例をご紹介します。
次のような事案です。被告から、同人が代表者である会社の全株式の譲渡を受けた原告が、契約締結前に提示された同社の貸借対照表に未計上負債があり、これが契約上の表明保証条項違反に当たるなどとして、主位的に、保証条項に基づき、予備的に、債務不履行に基づき、補償金等の支払を求めました。請求額は627万1388円で、これはひと月分の給与や厚生年金保険料、買掛金等の合計額です(被告において、発生主義ではなく現金主義に基づく経理処理を行っていたことから同未計上負債が生じたようです。)。
本件における株式譲渡契約においては、「甲及び乙は、相手方当事者から、違反の事実と損害等の原因及び金額を明記した書面により、本クロージング日から1年以内に請求を受けた場合に限り、当該相手方当事者に対し、相当因果関係の範囲内にある損害等につき補償等の責任を負う。」との条項がありました。
この点、原告・被告間では、クロージング日から1年以内の間に、第三者を介したメールの送信や、被告より原告に対する自らが責任を負わない旨の内容証明郵便の送付等の事実がありましたが、最終的に原告より被告に対して具体的金額を記して支払いを求める内容の書面を送付したのは、クロージング日より1年3か月ほどが経過した時期でした。
原告は、上記請求期間徒過の点につき、被告の各態様からすると、同人が除斥期間経過を主張することは信義則違反であるなどと主張したようですが、裁判所は以下のとおり判示しました。
「同項において、被告が原告に対し、補償等の責任を負う期間として、本クロージング日から1年内との制限を設けた趣旨について、①同契約上、時効期間であることや期間経過により消滅することの明示の合意がないことのほか、②本件譲渡契約が会社の経営権譲渡を目的とする株式譲渡契約であって、契約の性質上、早期確定の要請が高いこと、③原告は、本件譲渡契約の前後を通じ、被告に対し、A社の財務状況に関する資料の調査及び質疑等を内容とするデューデリジェンスを実施することができることなどすれば、上記の1年内の制限は、消滅時効期間ではなく、権利行使期間ないし除斥期間であると解すべきである。そうすると、原告と被告が権利行使方法として合意した『違反の事実と損害等の原因及び金額を明記した書面』を送付しないまま、原告が本クロージング日から1年間を経過させた以上、本件譲渡契約書13条1項に基づく権利行使は除斥されるものと解すべきである。」
除斥期間とは、ある権利について、その権利を行使しないままに一定の期間が経過することで、その権利が消滅するという制度です。権利関係がいつまでも確定しないという状態を防ぎ、これを短期間に確定することがその制度趣旨です。これは、一定期間、権利行使しないことで権利が消滅するという点では消滅時効と似ていますね。しかし、除斥期間が期間の経過のみで権利が消滅するのに対して、消滅時効では、時効期間の経過プラス当事者による時効援用があって権利が消滅するという点で異なります。また、除斥期間は、同期間の進行を更新(民法改正前の「中断」。進行していた期間のカウントをリセットしてゼロに戻すことです。)させることができないのに対し、消滅時効では、時効期間の進行を更新させることができる点で大きく異なります。
さて、本判例は事例判断ではありますが、補償期間の制限につき、消滅時効期間ではなく権利行使期間ないしは除斥期間であるとした点が参考となります。
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本件は、原告が、被告から、被告の完全子会社であった対象会社の全株式を買い受ける方法で買収したところ、被告が同買収に係る本件株式譲渡契約締結の際に対象会社が日本の法令を遵守して業務を遂行していると表明したにもかかわらず、対象会社は、その事業として締結していた信託契約に犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)に違反する本人確認義務違反等があったとして、表明保証違反に係る補償条項に基づき、損害及び遅延損害金の支払を求めた事案です。
判決文によると、対象会社は信託会社で、信託業への参入を検討していた原告がこれを8億1010万円で買収したようです。この金額の決定にも複雑な経緯があったことが伺えます。
対象会社は、ロシア国籍の二名との間で信託契約を締結していたところ(本件各契約)、犯収法に規定されている本人確認義務に不備があったことから、同各契約の解除を余儀なくされたとして、原告が被告に対してその損害を請求したという事案です。犯収法の上記規定は、マネーロンダリングの防止を徹底するために金融機関等に対して厳格な本人確認義務を課した規定となります。また、表明保証としては、「対象会社は、業務を遂行するにあたり、対象会社に適用される日本の法令の重要な点について全て遵守してきた(法令遵守)」「被告が原告に対して行った対象会社に関する情報開示は、重要な点については全て、真実であり、正確であり、そして、完全なものである(情報開示)」との条項が問題となりました。
まず、裁判所は、表明保証違反に関してはこれを認定しました。注目すべきは、「因果関係及び損害額(争点2)」でしょう。原告は、本件各契約に法令違反がなく、同各契約を継続できた場合の対象会社の企業価値と、本件各契約を解約せざるを得なくなった対象会社の現実の企業価値との差額が損害であると主張しました。そして、当該差額は本件各契約の評価額そのものであるから、これをDCF法を用いて算定すると、控えめに算定しても77万8147ドルとなる旨主張しました(なお、原告は他にも人件費や間接費、調査費用及び弁護士費用も併せて請求していますが、ここでは割愛します。)。
この点裁判所は、「本件各契約は、本件本人確認義務違反により解約を余儀なくされたものといえるから、原告は、被告に対し、本件本人確認義務違反があったことにより被った損害として、本件各契約の解約により対象会社に生じた損害の補償を求めることができると解される。」とし、また上記原告の損害論に触れた上で、「本件各契約の解約により対象会社に生じた損害とは、すなわち本件各契約が継続していれば得られたであろう信託報酬相当額から、本件各契約を維持するために要したであろう費用を控除した金額を現在価値に引き直したものと解すべきであるところ、甲44(株式会社S作成の評価報告書、以下「本件報告書」という。)によれば、原告が依拠するDCF法による本件各契約の価値の算定は、本件各契約により将来得られるであろう信託報酬から支払税額を控除し、本件各契約における目標運用利回り又は対象会社の加重平均資本コストにより割り引いて現在価値を算定するものであって、本件各契約が、外部に運用が委託され、対象会社において運用に多額の費用を要するものではなく、信託元本を基準とする一定の信託報酬が見込まれるものであることからすると、本件各信託契約が解除されたことにより損害を算定する方法としては、一定の合理性を有するものと認められる。」と判示しました。実際には、本件各契約がC及びDが死亡するまで継続することを前提とするのは相当ではなく、当初の契約期間(10年)で算定すべきであり、また割引率に関しても、信託契約における目標利回りによる割引にとどまらず、ビジネスリスクも考慮した対象会社の加重平均資本コストを使用するのが相当であるとし、4039万6354円を同損害と認定しました。表明保証違反に関する損害の算定につき参考となる判例と考えます。
さて、補足ですが、この判例ではアンチサンドバッギングに立つような記述がなされています(「争点3(権利濫用及び信義則違反)について」として触れられています)。どういうことかと言いますと、クロージングに先立ち、原告が弁護士によるDDを実施しているところ、その際に被告から全ての書類を原告に開示しており、本件本人確認義務違反は弁護士であれば当該書類から直ちに発見できるものであり、原告は本件本人確認義務違反を認識していたはずであるとの抗弁が被告よりなされておりました。
裁判所はこの点につき、「原告がデューデリジェンスにおいてC及びDの本人確認書類を確認した可能性は否定できない。」としつつも、「しかしながら、原告が本件本人確認義務違反を具体的に認識していたことを認めるに足りる証拠はない。また、対象会社のコンプライアンス担当者自身も認識していなかった本件本人確認義務違反を、限られた時間内でのデューデリジェンスで発見できなかったとしても、そのことをもって原告が本件補償条項に基づく補償を請求することが信義則に反し、あるいは権利濫用に当たると解すべき根拠はない」として排斥しました。犯収法の遵守状況という専門的な知見が必要とされる領域であったことからかような結論に至った可能性もあり、DDで見落としがあった場合に、同見落としが原告の過失であると認定されるようなケースでは、アンチサンドバッギングが適用される可能性も否定できないのではないかと思われます。DDを実施した方が補償請求において逆に不利になるという考えに関してはにわかに納得できないところもありますが、いずれにせよ、同論点に関しても参考となる判例です。
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原告が、被告との間で、被告が代表取締役を務めていた株式会社(A社)の発行済み株式の全部を被告から譲り受ける旨の株式譲渡契約を締結したが、被告が同契約における利益・事業の予測、在庫・設備の状況に関する表明保証に違反していたため損害を被ったと主張して、被告に対し、同契約上の損害賠償及び補償条項に基づき、上記損害及び弁護士費用の賠償を求めた事案です。
各争点と裁判所の判断につき解説しましょう。
①争点1 (被告は、A社が取引先であるH社から赤字を免れ得ない価格で受注したことを原告に開示しなかったとの事由で、業務の状況に関する表明保証に違反したか)
裁判所は、受注価格、本件株式譲渡契約締結以前のH社との取引、A社の買収先を探すために仲介会社が作成した資料(本件提案書)の作成経緯及び記載内容の根拠、本件株式譲渡契約締結当時のA社の生産能力、本件株式譲渡契約締結後のH社との取引等を詳細に検討した結果、「A社はH社に対し、本件株式譲渡契約締結前に、従前と比べて低く、場合によっては赤字になる可能性のある受注価格を提示していたということができる」とした上で、「本件株式譲渡契約当時のA社とH社との契約内容の詳細を認めるに足りる証拠はなく、本件全証拠によっても、別紙取引目録記載の取引において利益が出ている取引と赤字になっている取引が混在している原因を明らかにすることができない。」「そうすると、(中略)本件単価表に記載された受注価格を前提にしても、大量受注に対応する仕入・生産体制の見直しも含めた原材料価格及び製造コストの管理次第によっては利益を得ることができた可能性は否定できない。そうすると、A社がH社に提示した受注価格をもって、赤字を免れ得ない価格であり、将来の継続的な利益計上が不可能となることが明らかな事由にあたると認めるに足りない。」として、表明保証違反を否定しました。
②争点2 (被告は、A社の在庫品の一部が不良在庫品であることを原告に開示しなかったとの事由で、在庫の状況に関する表明保証に違反したか)
裁判所は、在庫品の一部につき、「上記在庫品は、特殊な加工が施されたものであったために、再加工して販売することも、そのままの状態で販売することも困難で、商品価値のない不良在庫品であると認められる。」「被告は、原告に対してこの事実を開示していなかったから、本件株式譲渡契約中、A社に悪影響を及ぼす資産がなく、同社の事業活動に必要な資産は全て良好に整備され、かつ良好な稼働状況にあるとの表明保証に違反したと認められる。」と判示しました。
③争点3 (被告は、A社所有の工場に消防法等に違反する不備があることを原告に開示しなかったとの事由で、設備の状況に関する表明保証に違反したか)
裁判所は、株式譲渡契約締結後にA社が消防署の立ち入り検査を受け、その結果、消防法違反等の事実を指摘され、各種対応を余儀なくされたことにつき、「これらの違反は工場設置当時からあったことが推認され、これらの事実が本件株式譲渡契約締結後に生じたものであることを伺わせる証拠はないから、本件株式譲渡契約締結当時、A社所有の工場に、消防法、火災予防条例及び建築基準法に違反する不備があったと認めることができる。」とし、「上記事実は、本件株式譲渡契約中、A社の事業活動に必要な資産は全て良好に整備されているとの表明保証に違反したと認められる」と認定しました。
④争点4 (原告が、本件譲渡代金の減額合意によって、被告との間で、被告の表明保証責任も含めて、本件株式譲渡契約における譲渡代金の問題をすべて解決する旨を合意したか)
どういうことかと言いますと、本件株式譲渡契約では、譲渡代金は3回分割の支払内容となっていたのですが、その最終の支払の際に、原告と被告が、協議の結果、本件譲渡代金から4000万円分を減額することに合意したという経緯がありました。
この点につき裁判所は、減額の際に原告が被告に対して提出した書面には、土地の評価額の低下、実体のない数字が帳簿に記載されていること、退職年金の積み立て不足額等の指摘が記載されているのみで、本件訴訟において表明保証違反が問題となっている事項についての記載がないことから、「原告と被告が、上記減額合意によって、被告の表明保証責任も含めて、本件株式譲渡契約における譲渡代金の問題をすべて解決したとまでは認められない」と判示しました。
⑤争点5 (損害額)
以上を踏まえて、裁判所は、原告が、上記不良在庫の存在を考慮していない譲渡代金を支払ったとして不良在庫の相当額1241万5734円を、また上記消防法違反等に関し、違反を是正するための工事費等合計261万8330円を損害として認め、弁護士費用150万円を併せた1653万4064円の支払義務を認めました。
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弁護士である被告との間で、事業譲渡契約書等につき被告が法的助言をする内容の委任契約を締結した原告が、被告が適切な助言を怠ったことにより、事業譲渡先に表明保証条項違反を問われて損害を被ったとして債務不履行の損害賠償請求をした事案です。M&Aトラブルに関連して弁護士が訴えられた(!)という怖い事案です。
M&Aのスキームとしては、事業譲渡契約でした。というのも、当初原告は、他の買受希望者との間で株式譲渡を行う予定だったのですが、同社が行ったDDの結果、原告所有の土地に土壌汚染があることが判明したことから契約が不調に終わったという経緯がありました。その後、原告は、他の買受希望者との間で交渉を行い、当該土壌汚染に係る物件を除いた形でM&Aを行うこととなりました。
さて、クロージング後になり、建築基準法に基づく建築確認申請が行われていないこと、各建物内の昇降機が建築基準法上の手続きに則らずに設置されており、労働安全衛生法にも準拠していないことが表明保証条項に違反するとして、事業譲渡先により本件事業譲渡契約は解除されました。かつ、和解金として原告は1400万円を支払いました。
このような流れを経て、原告は、弁護士である被告との間で事業譲渡契約書等につき被告が法的助言をする旨の委任契約を締結したにもかかわらず、被告が適切な助言を怠ったことにより、事業譲渡先に対して、表明保証条項違反を問われる事態となり、これにより損害を被ったとして、被告に対し、債務不履行による損害賠償請求権に基づき、原告が事業譲渡先に支払った上記和解金1400万円及び期待権侵害による無形損害300万円の合計1700万円の支払を求め提訴しました。
裁判所は、被告の債務不履行の有無に関して、原告と補助参加人(M&A仲介業者のことと推測されます。)間のアドバイス契約では、補助参加人に原告の資本戦略等に必要な調査・交渉に関する助言を委任し、現被告間の委任契約では、事業譲渡に係る契約書の検討及び交渉作業、法的助言等を委任していたことが認められ、被告は、本件事業譲渡契約書における表明保証条項の作成に関しては、補助参加人が収集した資料を確認・検討し、同条項違反の問題を生じ得る事実に関し契約書の修正の助言等をするという限度で義務を負っていたと認められ、同義務の不履行があったとは認められないとし、請求を棄却しました。
M&Aに関して弁護士は通常、DD対応や各種法的助言、契約書作成等の場面で参画しますが、その委任の範囲につき予め明確にしておくことが肝要です。もっとも、本事例のような場合に弁護士の債務不履行を認めるとなると、結果責任を負わせることと同義となりますので、至極妥当な判決であるとは考えますが、珍しい事案なのでご紹介しておきます。
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M&A(株式譲渡契約)における売主(原告)が、買主(被告)に対して譲渡金額の残額を請求したところ(売買残代金請求)、買主が売主の表明保証違反を主張し、その補償請求権と前記売買残代金請求権とを対等額で相殺するとの抗弁を主張した事案です。
結論としては、裁判所は、当該抗弁の成立を認めました。
さて、被告が主張する表明保証違反の内容ですが、譲渡日以前に原告より開示されていた事業計画とは別に、当該事業計画を下方修正する内容の他の事業計画が策定されていたにも関わらず、原告はこれをクロージング後まで開示しなかったというものです。
また、補償額の算定に関しては、あらかじめ提出されていた事業計画に基づき、DCF法による株式価値評価を信頼して売買代金を決定したのであるから、被告が被った損害は、契約締結時点において当該下方修正後の事業計画が開示されていた場合にDCF法によって算定される評価額と実際の売買代金の差額であるとの主張がなされました。
裁判所は、まず、原告が被告に対して、譲渡日までに本件事業計画を開示したと認めることはできないと認定し、その上で、「原告と被告は、提出済事業計画の数値が、本件対象会社の価値の算定において重要な要素になることを互いに理解していたものと認められる。」「本件譲渡契約締結前に生じた事由であったとしても、原告が、契約締結時までに、被告に対し、そのような事由及び事象を開示しておらず、その内容が将来の収益計画に悪影響を及ぼしうる場合には、原告は、被告に対し、これを開示すべき義務を負うものと解すべきである。」「以上によれば(中略)これを譲渡日までに開示しなかったことは、本件譲渡契約10条4項の趣旨や、本件譲渡契約別紙1Ⅱ20項に定められた表明保証に反し、被告の原告に対する補償請求は認められるものと解すべきである。」と判示し、原告の表明保証違反を認めました。
また、補償請求額については、「本件譲渡契約において、DCF法による企業価値の算定を基礎として譲渡価格が決められたものであるところ、被告は、提出済事業計画に記載された数値が現実的かつ十分に達成可能であることを前提条件として、本件譲渡株式の評価額を算定したものであり、事業計画に悪影響を与える項目が発見された場合などには評価価額を修正する要因となりうる旨の意向を表明していたのであるから、譲渡日までに、提出済事業計画と数値が大きく異なる本件事業計画が開示されていたとすれば、本件事業計画に基づいて評価額を算定し、これを基礎として譲渡価格についても修正をしたと考えるのが合理的である。」と述べ、その上で、「被告が、原告に対し、補償請求できる損害は、DCF法によって、提出済事業計画を用いた場合に算出される企業価値と本件事業計画を用いた場合に算出される企業価値との差額を基本として算定することが相当である。」と判示しました。
取引の実行前に開示された資料を前提として企業価値を算定し、株式譲渡を行った後になって、当初知らされていなかった事情が明るみとなり、企業価値の算定に誤りが生じたというご相談は度々頂戴します。そのような場合に参考となる事例かと思われます。
ちなみに本件では、当初の事業計画を基礎にした株式価値と、後日提出された修正版の事業計画を基礎にした株式価値との差額が、「少なくとも6億2600万円」と認定されており、看過することのできない金額に達していた事案でした。
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